2016年2月2日

[旅は徒然 ep 11 ] 一人旅 ヤドカリハウス 青春の輝き


行きたいところがあった。
ライダーハウス”ヤドカリの家”である。
聞くところによると日本のライダーハウス発祥の地であるとの事。
きっと愉快な旅人に出会えるに違いない。

思えば今まで北海道の地に降り立った その時から手羽先さんのサポートを受けていた私。
1人で走るには北海道の道はただただ大きかった。
世界の果てまでもしかすると一生このままなのかもしれない。
そんな妄想に取り付かれながらもひたすら西へ。

2人でゴエモン風呂を沸かした思い出などに浸りながら(三日前)
西へ、ただひたすら西へ。(来た道を引きかえしているだけ)
天候もどんどん変わっていく。北海道の天気予報は本当に当てにならなかった。

4時間くらい走っただろうか。帯広という懐かしい名前がちらほら見えてきた。
(二日前に来たばかり)

遂に帯広に到着。丁度夕日が沈む頃。

河川敷にぽつぽつと見える小さな人影。
スーパーの袋をぶら下げて自転車に乗るおばさん。
日常の風景がいやに眩しく目に映ったのを覚えている。

そんな市街地にヤドカリの家はあった。
ずーっと山、川、山、山、山。
そればかり目にしてきたであろうバイカーの心を鷲掴みするには
これ以上ないロケーション。
この時の私は人生において1、2を争う安堵感を味わったのだった。

少し前に電話でやりとりをしていたので
駐車場にてオーナーさん が出迎えてくれた。
ヤドカリオーナーは非常に旅人扱いに長けた親切で熱い人物 だった。
熱いオーナーさん の心意気で横で作業をしていた若者を紹介された。

紹介を受けた 若者はバイクで日本一周の最中らしく、
バイクの トラブルがあり、ヤドカリの家に連泊しているらしい。
わからない事があればなんでも彼に聞くといいよとオーナー。 

話をしてみると学生で、年下だったものの沢山貴重な体験談をユーモラスに語ってくれた。 
気さくで快活な若者は誰とでもすぐに仲良くなれる才能を持っている様だった。
きっと、こんな旅を続けていけば僕もその様な人生を歩めたのかもしれない。
学生の頃からこんな面白い事に出会ってしまっていたら
今とは全く違う人生を歩んでいたかもしれない。

その若者との交流をきっかけに、私もワイワイやっている輪の中に入る事ができた。
もはや住み着いている風情の長老や、徒歩とヒッチハイクで日本をまわっている若者。
”携帯電話とかチートですからね。縛りプレイですね。”
恐るべし。

宿泊者間の自然な橋渡し 簡潔で分かりやすい情報提供。
こういう気遣いがライダーハウスの独特で素敵な 雰囲気を作っていくのだろう。

1人で孤独にやっていきたい 人は最低限のコミュニケーションで利用することもできる。
皆でワイワイやりたい者通しはすぐにコミュニケーションの輪に入れる仕組みと工夫がある。
発祥の地は伊達ではなかった。

あまりにも面白トラップにばかり注目していたこれまでの北海道旅であったが、普通の視線で旅をするのも悪くないなとしみじみ感じたながら、故郷の事を思い出した。
思えば我ながら随分遠くまで来たものだ。

深い夜まで宴は続いた。

翌朝、楽器を持っている事がふいに見つかった。
即席ライブを一席設けた。
”どうして楽器を持っているってもっとはやくいわなかったんだよー”とオーナーさん

初めての体験がありすぎてその様な余裕を持ち合わせていませんでした。と弁解。

ヤドカリの家を後に札幌を目指します。
普通にいい旅夢気分。




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