久しぶりにピアノの前に座る。
セロニアスモンク曲集を取り出す。
誰でもお手軽♪ あなたも今日からピアニスト♪などといったチャラチャラしたキャッチコピーはついていない。ドラゴンボールで例えるとインベンションがヤムチャなら、これはタオパイパイ（何故か変換出来ない）くらいだろうか。そんな基準ではよく分からないがとにかく難しいのである。幼少の頃ピアノを嗜んではいたものの練習を全くせず、ピアノのセンセイの前で堂々と居眠りをする様な、どうしようもない生徒だった自分にとっては難しいのである。
しかし、どうやったらモンクみたいなピアノが弾けるのだろう。とCDを聞きながらリアルブックを見つめるも、3和音同時に鳴ると途端に聞き取れなくなる自分が心斎橋の楽器屋でこの楽譜と出会ったのは10年程前だ。なんだか難攻不落なゲームの攻略本を見つけた様な気持ちで買って帰ってページを開きピアノの前に座ったものの、そこにあったのは今までに見たこともない音符の列だった。
時間をかけて最初の塊に沿い鍵盤に手を降ろすと魔法の様な響きが出た。どれだけ長い期間がかかってもモンクの足跡を辿っていこうと思った。
そんな事もあったが10年経った今、まだこの一曲目で止まった状態である。
僕の部屋には後、積みピーターソン、積みパーカー、積みバーガンジー等々に埃が被っている状態だ。いつの日か救出に向かわなければならない…
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