2015年5月13日

旅は徒然 epi 4 大いなる助走









@kawaminiが投稿した写真 -





琵琶湖のほとりに停めたカブを写真に撮った。

原付免許取り立ての頃のワタクシ。
時速30kmだろうと、ただただ走り続けていたくて。
時速30kmだろうと、どこまでも行けるような気がして。
この先琵琶湖という表示があったから素直にそれに従った。

カブを手に入れた直後、名古屋でライブがあった。
それまでは電車or大阪組の車に同乗という形を取っていた。
前後日の予定がフリーだったのでカブで行くことにした。
いつも車で名古屋行くとき3時間くらいだったっけ。じゃあ原付だったら倍の6時間くらいかな行けるじゃん。と軽い標準語ノリで決めた。怪獣映画冒頭によく出てくる死亡フラグ立ちまくり軽いノリの茶髪若い兄ちゃん的ポジションにその時の自分が立っていた事を知るのは原付を走らせて約5時間後の事であった。

レンジャーニッシーがコンテナを貸してくれた。寝袋とテントも。座布団を敷いた方がいいという事で座布団も。なんという親心。否ニッシー心。

初めての自走遠出。今思えば何を血迷ったか、Googleで経路検索して文字情報だけプリントアウトした物を持って出かけた。何々号線を右折、何km直進し何々号線を右折という紙に印刷されたGoogle先生の指示。原付免許取得間もなかった私。20代半ばで盗まれたクロスバイクで走り出される(家の前に置いていたクロスバイクが盗難にあった)までは、ちょろちょろと車道を走ることはあったものの、せいぜい堺市から淀川を越えるくらいの事しかしていなかった私にとって紙に印刷されたGoogle先生の指示は未知の言語で書かれた呪文でしかなかった。まず八尾の辺りで路頭に迷った。

紆余曲折を経てなんとか大阪を脱出出来そうだった。
奈良県。

この先名古屋。

おーー!!世の中って案外親切デスねー!!
意外と地図なんかなくってもいけるんデスねー。
日本大好きダケド道に迷った外国人が憑依した私はGoogle先生の指示を破り捨てた。

直後。

この先名古屋。但し125cc以下は通行禁止。

あーそういう事ですか。所詮原付。自転車に毛の生えた様な物。この時自分が交通弱者だった事を思い知った。

但し、そんな弱者にも優しい日本。ベーシックインカム(脇道)がきっと整っているはず。これまでだってずっとそうだったもの。人生脇道なんだなぁ。としみじみ勝者のみが通る事を許されたビクトリーロード(名阪国道)を横目に、わりと綺麗に整った脇道を選びながら、ビクトリーロードを辿っていったらいけるだろうと、楽観的な心持ちで、前に進んだのだが…

つづく









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